2010/09/20

ポアント・ソムリエ

今日はバレエショップで生徒さんのポアント選びのお手伝いをしました。
おひとりは子供の頃に少しポアント履いたことはあるけれども感覚的な記憶はほとんどなく、足指の皮が剥けて痛かったことくらいしか憶えていない方。
そしてもうおひと方は大人になってバレエを始めて、初のポアントに挑戦する方。
つまり、おふたりとも大人になって初めてのポアント!

そんなおふたりのために私は優秀な“ポアント・ソムリエ”になろうと奮闘。。。。
目星をつけておいた初心者向けポアントをあれこれ出してきて片っ端から試し履き。
「これと、前に履いたのとどっちがいいか」「普通幅と細幅ではどっちがいいか」etc....

現在の生徒さんのポアント感覚はゼロ地点。
そこから色々なポアントを履きながら、痛いとか痛くないとか、キツいとか緩いとか、わずかながらのポアント感覚の経験値を積み上げて、とりあえずは今日行ったショップでベストと思われるポアントをセレクトしました。(試し履きをすること約1時間)

でも、今日は買いませんでした。
もう一軒、別のバレエショップに行って、そこのポアントも試し履きしてから、最終的に「はじめて買う一足」を決定する予定です。

Freed社から日本人として初めてシューフィッターとして認められた方から、ポアント選びに関してあれこれ教えて頂いたことがありますが、それはあくまでも私の足が履くポアントの場合。
ポアント・ソムリエとして一発でベストのポアントをセレクトして差し上げたいとは思うものの、履いた感覚、実際の稽古で使った感覚は履いた本人にしか分からないので、なかなか難しいものです。

でも、ひとつだけ良かったと思ったことがあります。
それは、生徒さんがポアント初心者とは言え、日頃のバレエシューズでのお稽古で自分の足裏や足指の感覚を感じながら(=探りながら、意識しながら)お稽古をされている方だったので、ポアントに足を入れて立ってみた時の感覚を自分なりとてもよくキャッチしていて、それを私に一生懸命伝えてくださるので私はソムリエとしてセレクト作業がしやすかったです。

自分の身体の感覚を自分なりにキャッチすること。
これはとても大切なことです。
“念願のポアント”に向けて今日は半歩、前進しました。(拍手!)



こちらは私が生まれて初めて履いたチャコット製のポアント。

「ベロネーゼ」とか「スワン」とか、そんな種類がなかった時代のものです。

なんでもポイポイと捨てる母が大切にとっておいてくれた一足です。





内側には母がひらがなで書いてくれた私の名前が。。。。

本当はもっとキレイな薄ピンク色のポアントだったはずですが、長い年月のせいですっかりカビ臭くなりこんな色になってしまいました。。。





な、な、なんと、サイズは19センチ!
ちっちゃーーーーーい!!!

「19センチ」というのはだいたい小学校の低学年の足の大きさ。
(実は何才でポアントを履いたのか憶えていません)
ええええーーーー、
はっきり言って早過ぎます。





私がヨーロッパの先生から教わった“ポアントはじめ”の適齢期は「初潮を迎えて身体がほぼ大人に出来上がった12才くらい」。

なのに私は小学低学年で履いた早熟リーナ。
当時のバレエ教授法がまだまだ学術的な見地から身体を考えていなかったからでしょうね。




早熟でさぞかし苦労したのではと思いきや、19センチのポアントのPlatform(=トウ先)には偏ることなくついた汚れ。
これは床に対してトウ先が真っすぐ立っていた証拠。
しかし当時、使うべき筋肉をちゃんと使って立っていたのかどうかなんて、はっきり言って記憶にありません。

もしかして、6才の私、今の私より踊り上手だったのかしらん?
おーーーーー、明日の稽古ぎゃんばらねば。
6才のガキに負けてたなるかッ!
プチなポアント見て、奮起するお彼岸の夜ぅ〜。