2010/09/18

(続)綜芸〜愛用者談〜

昨日のブログに「綜芸」のポアントについて書いた所、愛用者の生徒さんからさらに詳しい情報を頂きましたので、今日はそれをご紹介。

★綜芸のポアントは、フルオーダーではなくて、セミオーダーと言うかイージーオーダー。
なので、オーダーと言っても誰もが一発でピッタリ!という幻想を安易に抱いてはダメ。
何度もお店の足を運び根気よく微調整しながら、好みに近付けるという感じ。
愛用者の生徒さんは、現在履いている“ほぼ満足できる”ポアントに辿り着くまでに、職人さんと直接会ってやり取りをし、型を変えたりして4〜5足作ったそうです。

1足約1万円弱とすると・・・
やはり自分の“理想”に近付くのには時間もお金もそれなりに必要ということですね。

★注文の手順はこんな感じ。
まずはお店に電話をして予約を取ります。
(職人さんと約1時間は採寸等のやり取りをするそうです)
そしてお伺いしてまずは採寸。 お店の方が、両足の足型を紙に鉛筆でなぞり、ポイントになる長さと幅を計り、足の形のタイプも見ながら、3タイプのポアントから合いそうな型を選んでくださって、実物をお試し。
あとは、あーでもないこーでもない、と、履いた感じ・立った感じを職人さんにお話しし、チェックして頂きながら、決めていきます。(タイプの違うポアントのお試しも可能)
そこで決ったポアントを作ってもらい、あとは出来上がったポアントを実際に稽古場で履いて動いた結果を作ってくださった職人さんにフィードバックして、次のポアントを調整、新たに作り、また試す…ということになるそうです。

そうやって職人さんとやり取りをしていくうちに、4、5足目でようやくコレだ!というポアントに改良というか成長していくんですね〜。
長くて手間も時間も(お金も)かかる道のりですが、まさにバレエ的な“コツコツ”の道のり!

★愛用者の方曰く、「自分で足の型をとり、お店に出向かずにオーダーすることも可能ですが、そうなるとかなり理想に近づくのが遠くなるような気がします」

確かに。時間と手間を惜しまず、自ら“理想”を求めに行かないとダメでしょうね。
あぁー、私も行きたくなって来たぁ!

★できあがったポアントは当然ながら完全な既製品ポアントよりも自分の足にフィットしていて、動くときのズレが殆んどないので、足のサイズ・形に左右差のある人でも、トウパッドなし(化繊綿で薄く足先をくるむのがお店のお勧め)で履けるそうです。

私も子供の頃、今以上に左右の足のサイズに差があり、それもあって「綜芸のおじさん」のお世話になっていたんだと思います。

外国製のシューズは、甲高なものが多く、試し履きして合うと思っても、実際に履くとき、履きやすいようにと揉んだりつぶしたりしてボックスの形が微妙に広がってしまい、つま先を落ちて履けなくなってしまった・・・・なんていうこともありますが、綜芸のポアントは厚みが薄いので、そういう危険性は少ないようです。
(逆に足に厚みがある人でもセミオーダーなのでキツくて痛い・・・という心配も基本的にはないはず)

★幅、ソールの固さもオーダー可能。左右別の注文も可能。幅はもちろん、場合によっては左右のソールは固さも別の物を注文することが出来るわけです。
サイズは四分の一まで対応可能。(勿論、こちらも左右差可能)
履き口の長さ、かかとの高さも指定できます。

★愛用者の生徒さんはソールが薄く軽量、極端にいうとまるで靴下みたいな履き心地が気に入っているそうです。
(ちなみにこの生徒さんはバレエシューズでのレッスンはバーもセンターも五本指靴下をシューズ代わりに履いていらっしゃいます)

★総括すると・・・綜芸は、お店に通える暇があって、気の長い人向きということでしょうか。ちなみに工房には猫がいるそーです。
そして私が大変お世話になった「綜芸のおじさん」は今では「工房の翁」とか。
息子さん、そして娘さんたちがお父上の職人技を受け継ぎ、現在に至るそうです。

特別レッスンやら、発表会やら、もろもろのお仕事が落ち着いたら、ポアントを作りにはもちろん、翁となった「綜芸のおじさん」に子供の頃お世話になったお礼を言いにお伺いしたいです。


“理想”への近道はないのニャ。