2011/01/20

チャイコの記憶

今日はベルリン国立バレエ団の『チャイコフスキー』(全2幕)のチケットが手に入ったので、午後に稽古をして夜から東京文化会館へ来ました。


『TCHAIKOVSKY』
チャイコフスキー〜生と死のミステリー〜

台本・振付・演出:ボリス・エイフマン
音楽:チャイコフスキー

チャイコフスキー:ウラジミール・マラーホフ
チャイコフスキーの妻:ナディア・サイダコワ




不幸な結婚生活、同性愛、二重人格、パトロンの存在、賞賛と孤独・・・・・

チャイコフスキーの生涯を描いた演劇的なバレエ作品。
ロシアの巨匠チャイコフスキーを、ロシアの振付家がバレエ作品にし、ロシア人であるマラーホフが全身全霊で演じ切った重厚な作品でした。




白タイツを履いていなくてもマラーホフの足は強靭でありながら、繊細で非常に美しく、たとえ派手なジャンプをしなくても、立っているだけで“物語る”存在感。
満席ではありませんでしたが、かなりのお客さんがStanding ovationでした。

『悲愴』でチャイコフスキーの妻がツルっ禿の死神のようになって踊る2幕は圧巻。
見応えのある作品でした。



子供の頃、毎年12月になるとチャイコフスキーの『くるみ割り人形』を踊っていました。
ハッピーエンドのようで、どこか心の底からハッピーには思えなくて、いつも踊り終わると、虚しいというか淋しいというか、子供ながらに何ともいえない気持ちになっていました。

物心がついた頃には、コーラスの入る雪のシーンの曲を聴くと、このままどこか遠い所に連れて行かれてしまうような気がして、その美し過ぎる旋律に怖くなりました。
クララが王子様の案内で行くこの夢のようなお菓子の国は、実はあの世なんじゃないか・・・・
そんなことを考えてしまって、踊りに集中できず先生に怒られた苦い記憶があります。

チャイコフスキーが亡くなったのはバレエ『くるみ割り人形』が初演された翌年の1893年。
私は今でもお菓子の国があの世に思えてなりません。

これ以上、語り出すと私の場合、えらいことになるので今日はこの辺でおしまい。
私のチャイコ話の続きが知りたい方は、お時間がある時、一緒に飲みに行きましょう。
朝まで語れます。

さてと、明日の稽古の支度をして、ストレッチして寝るべ〜。
ホントに毎日、毎日、同じことやって生きていますわ。あたし。