2013/11/22

力を抜いて、何を通す?

夏の終わりから足に痛みが出ていました。
日によって、右足だったり、左足だったり。
動けないほどの致命傷ではありませんでしたが、鍼の先生からは「2〜3ヶ月は無茶しないでしっかりと休めないとなかなか治らなくなるよ」と言われていました。

これまで私は鍼の先生の言うことは必ず聞く優等生でした。
が、今回は「無茶はしない」と返事をしただけで休まず普段通り。
無茶はしないけど、無理はする????
さぁ、どーする、どーする。
こんな時にこそ問われるのがこれまで培ってきた(はずの?)繊細な感覚を伴う技術力。
試される時がきたわけです。

(ここで小休止♪)
左手だけで引くピアニスト智内威雄さんの演奏を3分半ほど。


(話の続き)
私がまずやったのは、頑張らないということ。
無理はするけど、頑張らない。(矛盾してる?)
私の場合、頑張らないということは、つまり力でやらないということ。
繊細な感覚は時として無駄な力みによってかき消されてしまいます。
なので、まずはダラダラ、ほどほどに、ほにゃほにゃやることから始めました。
力は入れずに、ひたすら感覚とか、感触を頼りに。
とは言っても、肝心の体幹がしっかり使えてのことですが。(ここが実は一番ムズカシイ所)
そして、無駄な力みが抜けた箇所に感覚を通す。
単なる感覚だけじゃなくて“流れ”=“動き”のある感覚を通わせる。
これをやるのに夢中になっていたら、あら不思議、足の痛みは右も左も消えてなくなりました。

話はちょっと飛びますが、
先ほど載せたYoutubeの映像、ピアニストの智内威雄さんについて、ついさっきETV特集の再放送をしていました。久しぶりにテレビを見ました。
局所性ジストニアという病気で右手が使えなくなり、左手だけのピアニストになったとか。
左手だけで奏でる音色は奥深く繊細でロマンティック。
当たり前に両手が使えてバンバン、ジャンジャン、エネルギッシュに弾けるピアニストの音とは大違い。
残された大切な左手に余計な負担をかけないように限りなく無駄な力を取り除いて演奏をすることに努めているんだそうです。
左手だけの力を抜いた音色は弱々しいどころか、ホールに響き渡る“抜け”のある音色。
力が抜けることで、そこに何かが通っているんですね。

踊りの場合は力を抜いて何を通すか?
美しく流れる感覚を通すというのが今の私の理想なのですが、なかなかムズカシイ。
さて、テレビが終わったので、今宵もおよそ1時間のストレッチをしてから寝ます。
経年変化と仲良くするのにはそれなりの時間と手間がかかります。
経年変化を利用して進化をするのが、ここのところの私の目標であり、これからもずっと続くであろう楽しみです。

明日もしっとり、ふわっと、でもしっかりと♪

※智内威雄さんの演奏はご自身が公開しているすばらしい演奏映像がたくさんあるので、皆様、是非、聴いてみてください。
伸びやかな音色に癒やされます。